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安定同位元素(STABLE ISOTOPES)

ごあいさつ

当社の安定同位元素/安定同位体事業は、2003年5月より開始し、今では20年近く、様々な研究機関のお客様にお世話になって参りました。
 当社は、CIL社、ISOTEC社、ROTEM社、Silantes社など、安定同位元素/安定同位体メーカーの製品を多数取り揃えて販売しております。
取扱製品は、13C(炭素)、15N(窒素)、2H(D)(水素)、18O(酸素)の標識核種の化合物から、金属の安定同位元素/安定同位体(メタルアイソトープ)、 ガスの安定同位元素/安定同位体(アイソトープガス)まで幅広いラインナップを誇ります。

 安定同位元素/安定同位体は、理工学・医学・薬学・農学・環境・食品分野と様々な研究領域で、 基礎研究から応用研究に至るまで最先端な研究の中でご使用頂いております。 幅広いお客様の研究ニーズに応えるべく対応メーカー・製品も増やしてご提案して参ります。
  

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安定同位元素/安定同位体 使用上のご注意

●For Research Use Only
 (当社ウェブサイトに掲載されております安定同位元素試薬は、人体投与でのご使用にはなれません。)

●安定同位元素/安定同位体製品を日本国外へ輸出する場合は、当社あてにご一報いただくと共に、外国為替及び外国貿易法等輸出関連法規の規定に従って必要な手続きをおとりいただくようお願い致します。


 お問合わせはこちらへ



同位元素/同位体 とは

同位元素/同位体とは、原子核の中の陽子の数が同じ(原子番号が同じ)で、中性子の数だけが異なる同じ元素の仲間の事を言います。アイソトープとも言います。
陽子の数が同じなので同じ原子番号を持っていますが、質量数が異なります。化学的性質は同じですが、物理的性質は異なります。

同位元素/同位体には、放射線同位元素/放射線同位体(Radio Isotopes :RI)と安定同位元素/安定同位体(Stable Isotopes : SI)の2種類があります。放射線同位元素/放射線同位体は、放射線(α線、β線、γ線など)を放射する性質を持った元素です。
安定同位元素/安定同位体は、その放射線を出さない安定な元素です。      

同位元素/同位体の例として、水素では、軽水素(1H)、重水素(2H、ジューテリウムD)、三重水素(3H、トリチウムT)の3つの同位元素/同位体がございます。
そのうち、安定同位元素/安定同位体のものは、軽水素と重水素になります。

 

水素 : 原子番号 1(陽子の数は1)
同位元素として中性子の数=0 軽水素(Protium)   安定同位元素/安定同位体
       中性子の数=1 重水素(Deuterium)安定同位元素/安定同位体
       中性子の数=2 三重水素(Tritium) 放射性同位元素/放射性同位体


当社では、『安定同位元素/安定同位体』の製品を取扱っております。



安定同位元素/安定同位体の使用分野とは

安定同位元素/安定同位体の試薬は、さまざまな研究分野で使われております。


量子ビーム
●同位体のガスやメタルアイソトープは、量子ビーム研究の世界で新しい物質の創製のために使われています。
●中性子を吸収するために、ホウ素の同位体が使われています。
●リチウムイオン電池の研究開発として、リチウムの同位体が使われています。
●メタルアイソトープは、新素材の基礎研究に使われています。
●ヘリウム-3は、希釈冷凍機や、検出器に使われています。

構造解析
●NMR(核磁気共鳴装置)による構造解析に使われております。タンパク質をはじめ、有機化学の研究で広く
 用いられております。

●重水素化合物(d化化合物)は、中性子解析に使われています。
●メスバウワー分光に、57Fe(鉄)などが使われています。

トレーサー
●生態系や植物のトレーサー実験に、13CO2ガス(二酸化炭素)が使われています。
●有機合成用ガスとして、13COガス(一酸化炭素ガス)、D2ガス(重水素ガス) 、15N2ガス(窒素ガス)、18O2ガス(酸素ガス)が使われております。
●最近メタボリックシンドロームの影響で、肥満と代謝に対する研究が盛んに行なわれておりますが、その様な代謝(メタボローム)研究の中では13C標識のグルコースや脂肪酸などを、体内動態のトレーサーとして使われています。

プロテオミクス
●SILAC(細胞培養におけるアミノ酸を用いた安定同位元素/安定同位体標識法)で、標識アミノ酸が使われております。

半導体デバイス
●次世代の半導体デバイス材料として大変期待されている『人工ダイヤモンド』の原料として、13Cメタンガス
 (13CH4)が
使われております。

環境
●カドミウムなどのメタルアイソトープを用いて、水中、土壌中に含まれる微量重金属の解析に使われています。
●一酸化炭素(13CO)や一酸化窒素(15NO)のアイソトープガスを用いて排気ガスの分析に使われています。

PET
● 酸素18標識水は、ガン検診で広く知られているPET(陽電子放射断層撮影)の診断薬の原料として使われています。


生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物とは

生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物とは、自然界に大量に存在する水素、炭素と窒素(1H,12C,14N)等
の元素を、
2H〔D;重水素〕,13C〔炭素13〕,15N〔窒素15〕等の安定同位元素で置換したアミノ酸(Amino Acid)、
炭水化物(carbohydrates)、脂質と核酸などの化合物のことを言います。


生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物は、主に次の目的で使用されております。

第一に、タンパク質、炭水化物、核酸等を安定同位元素/安定同位体で標識(ラベル)することにより、原子レベルでの
構造解析をより容易に
行なうことが可能となります。そのような構造解析により、例えば2つのタンパク質の
相互作用や、新薬との相互作用を理解するのに
用いることが出来ます。

ある例では、1つの異常なタンパク質がガンを誘発しますが、新薬でこの異常なタンパク質をブロックし
特定のガンの増殖を
抑制することが考えられます。
生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物はタンパク質、炭水化物、核酸の構造決定を容易にし、新薬開発を
サポートするとともに、
最近のヒトゲノム配列プロジェクトの成果により、創薬ターゲットの解明に欠かせない
ものとなっております。


第二に、生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物は一般的な代謝研究用試薬として用いられ、特に特定の
病理学的代謝研究
(メタボローム:metabolome)に用いられております。

生化学研究用安定同位元素/安定同位体標識化合物が「通常の」分子と化学的に同様に作用するので、「通常の」
化合物と同様の代謝をします。

その安定同位元素/安定同位体標識化合物を用いることにより、その代謝がどのように行なわれたかを解明することが
可能となります。


例えば、標識された脂肪酸(fatty acid)を使用して、糖尿病、脂肪酸吸収不良、乳糖不対症または肝臓ガン等の
呼気診断に
試みられています。
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